居抜でお店を売ろうと考えたときのはじめの一歩は、
どこに相談・依頼してどのように居抜での募集を進めていけばいいかという点を考えることから始まります。
「知り合いに不動産業者の人が居る。」
「管理会社に取りあえず相談する。」
というようりも、店舗物件を探すとき同様に、売るときもまずは専門業者に相談・依頼することをお勧めします。
店舗を探す以上に、居抜で売るときの方がトラブル回避とう点だけではなく、成約率や金額を上げるうえでは知識と経験が重要となってきます。
また、管理会社へ居抜を依頼することも状況次第ではありますが、慎重に動いた方が良いです。
管理会社へ居抜での募集を行っていいかの許可を得ることは大事ですが、退去届を出して動くのか、出さずに動くのかが重要なポイントです。
退去届を出して募集するのであれば、残りの契約期間で決まらなければ通常退去(原状回復実施)も覚悟しておく必要があります。
また、退去届が出ている以上は、賃貸契約の切替手続きは貸主主導で進められる可能性がある点も認識が必要です。
全ての管理会社ではなく、一部の会社の話ですが、、、、こんなこともあります。
(実例)■管理会社にのみ居抜募集を依頼して起きてしまった実例
(実例)■退去予告を出してからの居抜募集をしたことで起こってしまった実例
次に、募集情報をインターネットなど表に出して募集をするのか、お店を利用するお客様だけではなく従業員にも内緒で水面下で募集をするのか、という点も決めなくてはいけないポイントです。
多くの顧客を持った不動産会社であれば、情報を表に出さずに募集し成約できる可能性はありますが、そうでない場合は水面下で動いてもらっても成約率は低く、ズルズルと決まらないままの状態が続いてしまう可能性が高くなってしまいます。
また、早く売らなくてはいけない状況なのか、そうではないのかといった居抜募集を行う際の状況次第でその方法は変わってくるかと思います。
ですので、ご自身の状況と、相談先の不動産会社の力量に合わせて設定される必要があります。
そして次に、居抜募集を依頼する不動産会社は、1社に限定すべきか、複数の会社に依頼すべきかという点。
これはそれぞれに、メリットとデメリットがあります。
それを説明する前に、まず不動産会社へ支払う居抜手数料の説明をします。
居抜手数料は、居抜契約が成立した際に不動産会社へ支払うこととなります。手数料の額は賃貸仲介の手数料(賃料の1ヶ月分を上限とする)とは違い、宅建業法にて規定されていないため、その設定額は各会社で様々です。
福岡で一般的な居抜売却成約時の不動産会社へ支払う手数料の設定金額は、居抜料の10%。(居抜料が少額の場合は下限設定額などもあります)
不動産会社は、自社のお客様で売手と買手を仲介した場合は、それぞれから設定された手数料を頂くということとなります。
ですので、不動産会社としては、自社のお客様のみで決めた方が利益が大きくなる為、それを目指す傾向にあります。
(実際、他の不動産会社とは全く関係を持たずに自社のみでの仲介しかしない業者もあります)
ただ、決まってなんぼの世界でもある為、どちらか一方の取引が出来ればOKとする業者がほとんどではあります。
では、出来るだけ多くの会社に依頼した方がいいのではないか。と言うと、一概にそういう訳ではありません。
例えば、居抜料を200万円と設定し複数の会社に依頼いしている場合、A社から150万円の申込(堅い内容で金額合意のみでほぼ決まり)が出たときに、B社としては何としても決めたいということから、「居抜200万円で検討している方が居る」と具体的に進みそうもない話をでっち上げてA社の話を保留にさせる。なんてことをされてしまってる間、A社の方が他の物件で決まってしまい。結局B社の話が流れしまう。ということもあったりもします。
(そういった良からぬことをする不動産会社の話などは極端な話ではありますが、)
多くの会社が関わってくると、各種諸条件についてや、進めている案件の情報が統一できない場合もあるので、注意が必要です。
基準としては、
募集期間や、売れる見込みなどの余裕がある場合は、とりあえず信頼できる1社に限定して、依頼される方が良いかと思います。
何としてでも直ぐに決めないといけない場合などは、複数の会社に依頼されるのも良いかと思います。
ただ、1つの会社を窓口にして、インターネットなどで募集情報を出せば、他の業者にも依頼したことと変わらずに情報は開示できます。
一番のお勧めは、不動産会社と横の繋がりを多くもっている会社1社(信頼できる担当者)に依頼し任せてしまうことではないかと思います。
居抜での募集を検討されるということには、様々なケースがある為、一概にこうしたら良いという確定的なことはありません。
やはり、居抜で売りたいという時の状況次第ということになります。バランスが大事ですね。